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2012年2月20日 (月)

高校数学・新課程統計分野研修会2012冬 参加報告

(M)

高校数学・新課程統計分野研修会2012冬に参加しました。

個人的に「勉強になった」と感じた事をメモします。

■1.大淵先生
「数学1Aの「課題学習」を通じた対策」として「データの分析」が実は救世主であるとコメントされました。その理由は

  1. 最後にデータから「判断」をしなくてはいけない。
  2. 問題解決力をつける大きなポイントになる。

の2点です。高校数学では解答は一つであり、解き方に別解が存在する程度ですから、結論を学習者が「判断」することはありません。高校数学という環境で高校生が「判断」や「問題解決」を学びとるのはほとんど不可能だと感じます。しかし、統計であれば意思決定が必要になりますから、統計が数学における「課題学習」の回答となる可能性があります。とても共感できる内容でした。

■2.渡辺先生
相変わらず熱弁をふるっていました。その中で、

Big Data の時代に合わせた統計教育

とのコメントは情報科教員としてとても大切な観点だと感じました。クラウドやらBig Data やらのキーワードを使って情報社会の授業を展開するのも良いと思いますが、それを支える科学や技術に触れる事も大切です。数学科との関連も踏まえると、情報科教員が統計学を学ぶ価値は高いと思いました。

余談ですが、統計が活躍する映画「マネーボール」を一生懸命に紹介されていました。渡辺先生ご自身は野球をあまりご存じないように見受けましたが・・・

■3.芳賀先生
実務的な話を聞く事が出来て貴重な体験でした。メモが取れたのは、

  1. 表計算ソフトでは小数点の位置を揃えてデータを見やすくする事
  2. ROUND関数を単純に使うとデータに偏りがでるので、丸める桁が偶数の場合は切り捨て、奇数の場合は切り上げる事
  3. 因果関係のあるデータをグラフにする場合は、原因を横軸に、結果を縦軸に取るのが標準的である事
  4. 因果関係のないデータをグラフにする場合は、予測したい変数(例えば体重)を横軸に、予測に用いる変数(例えば身長)を縦軸にとるのが標準的である事
  5. 散布図に書き込む楕円と相関係数rの関係

です。情報科の授業でエクセルを使うことがありますが、実際の運用に関しては知らない事が多いのが実情だと思います。芳賀先生が書かれた書籍も購入しようと思っています。

■4.竹内先生
やや内緒の話を聞きました。

■5.高橋先生
大変熱血な話を聞くことができました。紹介された模擬体験は消化するのに時間がかかりそうです。今回は若干別の観点から印象に残った事をメモします。

  1. 問題と課題の違い
    問題:基準と現状のギャップ
     *原因があり原因を追及して予防する
     *解析(原因追究)が決め手である
     ★現状を基準に是正する事が問題解決である

    課題:希望と現状のギャップ
     *原因はなく条件を創造して実現する
     *設計(条件創造)が決め手である
     ★現状を希望に引き上げることが課題達成である

情報科教育界隈では「問題解決」や「課題解決」といった言葉が良く聞かれますし、新課程における「情報の科学」の内容はザ・問題解決と評される事もあります。しかし、いわゆる「解決系」の話題の本質を聞いた事はありませんでした。高橋先生のコメントは今後の情報科教育にとって重要な意味を持つと感じています。

今後、高等学校の情報科教育でどちらをどのように取り扱うのかは分かりませんが、両方とも大変にタフな話題だと思います。

■まとめ
高等学校の情報科教育を振り返ると、最初の10年は「問題解決」だったかもしれません。教育環境を構築する事が先決ですから、現状を分析して問題を発見し様々な対応をしていたと思います。私自身も、他教科と同様の教育環境という基準を目指していた気がします。

今後の10年は「問題解決」だけでなく「課題解決」も必要になると思います。高等学校における情報科教育の現状を、希望に引き上げる中心人部は情報科教員なのですから。

(`・ω・´) キリッ

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