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2012年2月17日 (金)

情報社会への歴史的経緯を知る手掛かり - 情報社会を読み解く(改訂版)

(T)

社会学の先生に情報社会を読み解く改訂版を紹介されたので読んでみた。初版は2004年3月であるが、私が読んだのは2011年5月の改訂版。

前半は情報社会について、後半は教育の情報化と情報科教育について書かれている。

注目した部分を以下にメモする。

■「社会的技術」に注目した社会の変遷

情報科の授業では現時点での情報社会を取り扱うが、直接扱ってもその特徴は見えてこない。授業で使えそうなネタとして、自分は歴史的経緯や過去との比較に注目している。本書が紹介しているのは以下の3つ。

1)ダニエル・ベルの「前工業社会」→「工業社会」→「脱工業社会」

2)アルビン・トフラーの「農業社会(第一の波)」→「工業社会(第二の波)」→「超産業社会(第三の波)」

3)増田米二の「狩猟社会」→「農耕社会」→「工業社会」→「情報社会」

増田米二氏が提示した社会の変遷は「社会的技術」に注目している。まとめとして[社会的技術]-[人間の能力の増幅]-[学力基盤]の関連が提示されていて授業に活かせると考える。

注意点もあると感じている。それは、学力基盤が変わったと読めてしまうことだ。現実には学力基盤が積み重なっていると考える。例えば、言語の運用は昔も今も学力基盤である。情報技術が発達したからと言って、過去の学力基盤が不要になったわけではない。

「聞く+話す+読む+書く」だとか「暗記」だとか「計算」だとかといったものは今後不要になるわけではない。情報社会ではこれら従前の学習活動に加えて「情報活用能力」や「情報の科学的な理解」、「情報技術の習得」などが要求される。

ときどき「ICTで学びが変わる」という声を聞くが、本質的に変化するとは考えにくい。むしろ「ICTで学ぶことが多くなる」と考える。

■まとめ

序章「情報社会を読み解く鍵としてもメディア」、第1章「情報社会information societyの特質をどう捉えるか」、第2章「我が国における情報社会の進展」は収穫がいろいろ。

第3章「情報社会における人間関係と倫理と法」、第4章「『教育の情報科』と情報教育」、第5章「情報教育とコンピュータの教育利用」、第6章「情報教育の展開―新しい社会を創造する人間育成」は教養として読むということで。

:-P

別件だが、キャプテンシステムの存在を初めて知った。

是非、ご一読。

情報社会を読み解く改訂版

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