思い切って読んでみよう - 1984年
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ビッグブラザーというキーワードは知っていたのだが、そのキーワードが登場する小説『一九八四年[新訳版]』は長編という事もあり敬遠していた。だが、「社会と情報」で個人データやプライバシーを扱う以上読まないわけにはいかない。思い切って読んでみた。
この小説にはコミカライズ作品が2つあるので、同時に読んでみた。
小説なので核心に触れる部分に触れる事は出来ないが、注目した部分をメモする。
■「読んだふり本」第一位
訳者のあとがきによると
(前略)しかも英国での「読んだふり本」第一位がオーウェルの『一九八四年』だというのである。一九八三年から八四年にかけて英国に滞在した折、『一九八四年』が何ヶ月かにわたって、ベストセラー・リストのトップを走っていたと記憶するのだが、あのときのペンギン版はかわれたまま書棚にしまわれたのだろうか。(後略)
『一九八四年[新訳版]』訳者あとがきより
だそうである。
512ページのというページ数は小説をほとんど読まない層にはドン引きだが、実際に読んでみると負担感はほとんど感じなかった。小説読まずの私が数日で読破できたのだから、多くに人が読破可能だと思う。
プチカミングアウト。私は「ビッグブラザー」というキーワードは知っていたが『一九八四年[新訳版]』という書名を知らなかった。
■コミカライズ作品
詳細はコメントできないが、コミカライズ作品『まんがで読破 1984年』と『COMIC 1984
』はいくつかの内容が割愛ないし圧縮されている。コミカライズ作品を読むことで、改めて原作が良くできていると感じた。一般論として、コミカライズ作品を読む場合は原作を読んだ後の方が良い。
余談だが、『まんがで読破 1984年』はまんがで読破100冊目のタイトルだそうだ。
■社会と情報との関連
本書のキーワードである「ビッグブラザー」や「テレスクリーン」は情報社会と関連がある。
例えば、「Googleは情報社会のBig Brotherなのか?」とか「ステルスマーケティングやcookieは現代版テレスクリーンなのか?」とかが考えられる。
特にGoogleの影響力は非常に大きいので、個人情報やプライバシーと関連させた授業は必要だろう。収集した個人情報に関しては、社会学やら経済学やら法学やら、様々なアプローチが可能だ。
是非、一読を。
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