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2012年11月13日 (火)

情報社会の基礎知識としてのリスク - 「ゼロリスク社会」の罠

情報科では新しい技術やサービスが日々登場している。新しい事を始めるときはリスクがつきものである。そのリスクについて分かりやすく取り上げているのが「ゼロリスク社会」の罠だ。

著者はサイエンスライターである。具体例は科学(化学)的なものが多いが、「社会と情報」と関係する内容も多いと感じた。

以下、注目した部分をメモに残す。

■リスクの定義、など

「第1章 人はなぜ、リスクを読み間違えるのか」はリスクの特徴をコンパクトに紹介されている。第1章の小見出しは

  • リスクという言葉の定義
  • リスク認知因子10カ条
  • 確証バイアス
  • バイアスのハウリング
  • 正常性バイアス
  • アンカリング効果
  • レインマンの罠
  • 定性分析と定量分析

などなど。小見出しだけでも興味深いものが多い。バイアスのハウリングはエコーチェンバーとしても説明ができ、授業が広がるの可能性を感じる。

リスク認知因子10カ条には「恐怖心」「制御可能性」「選択可能性」「新しいリスク」「リスクとベネフィット」といったものは、いわゆる情報モラル教育を論理的に進めるには関連性が高い。

LINEのような新しいサービスに対して生徒達は「制御可能性」や「選択可能性」が高いと感じ、「リスクよりもベネフィットを大きく見積もっている(またはリスクを小さく見積もっている)」と考える。制御可能性や選択可能性、リスクとベネフィットを判断する基礎知識を社会と情報の授業で扱いたい。

同時に、LINEのような新しいサービスに対して旧世代は「制御可能性」や「選択可能性」が低いと感じ、「リスクよりもベネフィットを小さく見積もっている(またはリスクを大きく見積もっている)」と考える。情報科の教員として、日々精進が必要だ。

■雑感

小説に始まり電話やラジオ、テレビなど新しいメディアの「新しいリスク」を過大評価して批判するのは理解の浅い旧世代の行動習性だろう。歴史は繰り返す。(P.31)

:-P

「ゼロリスク社会」の罠

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