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2012年11月 5日 (月)

著作権法改正の背景がわかる(1/2) - 解説改正著作権法

情報科では情報モラルというカテゴリーで著作権を扱っている。著作権法改正のたびに教える内容が変わる可能性がある。

過去の話になるが、「解説 改正著作権法」を読んだ。

私は情報科教員ということで、

第1章 2009年改正の意義と歴史的な位置づけ
第2章 近時の議論の整理
第3章 2009年改正の解説
第4章 一般的フェアユース規定実現への課題と展望

だけを読んだ。「第5章 世界の動向」まで読む余裕が無いので勘弁。

注目した部分をメモに残す。

■私的録音録画補償金制度、私的複製の範囲(P.21~22)

教科書ではお馴染みの私的録音録画補償金制度であるが、著作権法が情報化に対応したといった程度の扱いである。事実、授業でも

 【この制度で集めたお金がアーティストへ還元される】

といった扱いが多いと思う。しかしながら、事はそう単純ではない。本書では重要な事が指摘されているので、やや長いが以下に引用する。

著作権者等(注1)の団体は、著作物の利用の対価として適正な補償金を要求し、また、補償金の課金対象を拡大すべきだと主張する。これに対し、デジタル方式の録音録画機器を製造販売しているメーカーは、私的複製については契約とデジタル情報保護技術によって制御可能であるから補償金制度は不要であると主張し、特にいわゆるダビング10対象機器について、補償金を上乗せして販売しなければならない事について強く反発している。(注

(注1)著作権者等とは創作者、著作権者、著作権管理団体を含む

(注(前略)なお消費者の立場からすると、自由な複製ができることを望むから、消費者が補償金を負担したくないというのは当然と言える。しかし、回数制限なく複製ができる代わりに僅かな補償金を支払うことにする制度は、回数制限などの技術により著作者などを保護する制度よりも、消費者のニーズに沿うという見方もできる。

解説 改正著作権法

授業で使えそうなのは権利者、メーカー、利用者それぞれの立場である。

  • 権利者は補償金による適正な対価の収入
  • メーカーはDRM対象機器に補償金を上乗せして販売する事の不利益
  • 消費者は複製の回数制限と補償金の支払いという二重負担

授業を受けるのは生徒であるから、メーカー側の不利益につては触れなくともよいだろう。しかし、複製の回数制限と補償金の支払いという二重負担について教材になりうる。

例えば【複製の回数制限】と【補償金の支払い】のどちらが権利者と消費者の双方にとってメリットがあると言えるかを考えさせる教材がありうる。事前に調査をさせて発表させてもよいし、定期試験の論述問題として出題してもよい。複製が容易なデジタル情報の権利処理という課題は、情報科で扱うのが自然だと考える。

長くなったので、続きは別エントリー。

著作権法改正の背景がわかる(2/2) - 解説改正著作権法

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