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2012年11月 8日 (木)

著作権法改正の背景がわかる(2/2) - 解説改正著作権法

前エントリー(著作権法改正の背景がわかる(1/2) - 解説改正著作権法)の続き。

過去の話になるが、「解説 改正著作権法」を読んだ。

注目した部分をメモに残す。(その2)

■権利者(P.42)

著作権は創作者に経済的な利益がもたらされるという経済的な側面があるが、これは著名な創作者に顕著に当てはまる事であり、無名の創作者にとっては知名度を上げる事の方が優先される。該当箇所を引用する。

 なお、権利者団体の要求は、個々の権利者のレベルでの要求とは必ずしも一致しているわけではない。たとえば、十分な知名度と十分な交渉力を有しない無名の創作者の場合、著作物が利用されないまま埋もれ、あるいは利用許諾条件の交渉に際してメディア企業に買いたたかれるよりも、むしろ著作物の利用を促進する事を希望するであろう。

解説 改正著作権法

例えば、有名アーティストであれば音楽CDの売り上げやや音楽ファイルの課金、コンサートにより収入(チケット収入ではなく各種グッズ販売による売り上げの事)を得ることが可能である。一方、メジャーデビューを目論むインディーズバンドであれば知名度を上げることが優先順位が高く、CDやコンサートによる収入は有名になってからの事である。勤務校出身のインディーズバンドのCDが入手できるなら、生徒達にとって身近な教材になるだろう。

考えさせる教材としては表による分類がある。試しに表の中を埋めてみた。

有名アーティスト 無名アーティスト
著作権収入 行き詰り 有名になってから
知名度の上昇 維持する 最優先

確認問題であれば語群から選ばせるのもよいだろう。

考えさせる問題として、この表を提示してから

  • 無名アーティストは知名度を上げるためにネット上でどのような活動をしているか
  • 無名アーティストにとって著作権はどのような存在か
  • 有名アーティストはCDによる著作権収入の減少に対してどのように対応しているか

を考えさせるのもよい。この後に「新しい著作権制度」を提案させるのも一つの方法だ。

このような記述・論述系の課題は著作権法の理解が必要不可欠であるが、解答できたときの収穫はより大きい。

■おまけ

資料3の年表の2007年12月の欄に中山信弘『著作権法』(有斐閣)が掲載されている。

■まとめ

法改正のたびにその背景を学ぶ必要がある。より良い授業には深い理解が必要だ。情報科教員にお薦めの一冊である。

解説 改正著作権法

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