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2013年1月22日 (火)

最初の一歩に対する雑感 - 試作入試問題 #001(情報入試研究会)

教科情報の大学入試は高校側と大学側の双方にとって課題であり、センター試験での導入の是非も様々な意見がある。情報入試研究会で教科情報に関する大学入試問題の試作問題

が公開されており、いろいいろと参考になる。

■「社会と情報」についてどうしても気になる雑感

(1)選択方法

表紙に公開された問題では問題、選択方法、分野が提示されているが、「情報の科学」と「社会と情報」の両方が必答となっている。

一方、本文の方では「社会と情報」に関する問題は選択問題となっている。

なぜ?

(2)第1問の問6

法と倫理(モラルとルール)を分けて扱うのが良いと考える。しかし、「試作入試問題 #001」の問題文では混同されているように思える。

同時に、法を明示された規則(=条文)として扱うことにも疑問がある。

問6 私たちが情報社会において守るべき「情報モラル」には、私たちが生得的に持っている人命を尊重する、他人に迷惑を掛けない、嘘をつかない等の「人道的考え方」、皆が共通にもっている「常識・慣習」、法律やその他の「明示された規則」があります。次のことがらはどれに相当するか、それぞれ適切なものを選択しなさい。

赤太字は筆者)

法と倫理を混同すると、ルールの問題を気持ちで解決しようとしたり、気持ちの問題をルールで解決しようとしたりと、混乱を招くことになる。折角の新しい教科なのだから、この二つを分離して扱うことが重要だと考える。

法を明文化された規則(=条文)として扱うと、プライバシー権や肖像権といった判例の積み重ねによって理解されている事柄が扱いにくい。プライバシー権や肖像権は全ての教科書で扱う内容であろうから、ここも押さえておきたい。

プライバシー権や肖像権の法源を幸福追求権に求めるだとか、法を「成文法」と「慣習法」に分けることだとかもあるが、教科情報としては深入りし過ぎだと私は判断する。

■関連」イベント情報

ちなみに、この研究会では以下のような日程でフォーラムを開催する。参加したい。

(*゚▽゚)ノ 行くぞ!

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